この記事では、おせち料理の由来を一覧にして解説していきます。
お正月に欠かせないおせち料理ですが、定番となっている料理について「なんでこれを食べるの?」と子供や孫に質問されて困ったことはないでしょうか。
- 子供にどうしておせち料理を食べるのか聞かれて困ったことがある
- おせち料理の由来や意味を教えてあげたい
いきなり質問されても案外知らなくて、こまったりするものですよね。
そこで、おせち料理の由来について定番のものを一覧にしてまとめてみました。
おせち料理の由来を料理ごとに解説!
おせち料理は、現在は「お正月に食べるもの」ですが、もともとは一年間の節目節目に神様にお供えするために作られたものが始まりです。
年月が経つにつれ、一年で一番大切な節句であるお正月に食べる料理となっていきました。
祝い肴と口取り:酒の肴として
「祝い肴」と「口取り」はお酒の肴としてお祝い事の最初に出される料理が由来となっています。
- 祝い肴関東は「数の子・黒豆・田作り」、「関西は数の子・黒豆・たたきごぼう」が一般的。
- 口取り:見た目が華やかで甘味があるものが多い。
おせちの定番となっている数の子や黒豆、栗きんとんなどがここに入ります。
祝い肴3種の由来
祝い肴3種は、それぞれ子孫繁栄、不老長寿、豊作を意味しています。
数の子:子孫繁栄 たくさん卵がある様子から「子だくさん」を連想させます。ニシンを「二親」とかけて、両親の健康や長寿を願う意味もあります。
黒豆:マメに働けるように、と語呂合わせです。
また黒は邪気を払う色ともいわれ、長く健康でいられるようにという意味があります。
田作り:関東で祝い肴とされています。
カタクチイワシの稚魚で作られ、昔イワシは畑の肥料に使われたことから、豊作を祈願する意味があります。
たたきごぼう:関西で祝い肴とされています。家族や家業が地に根付いて繁栄するように、という意味があります。
口取りの由来
華やかな色が使われ、甘いおかずも多く、お子さんに人気の料理ですね。
紅白かまぼこ:半円の形が日の出の形に似ていることから、古くから縁起の良い食べ物とされています。
伊達巻:巻物のように見える形から、学業成就の意味が込められています。
昆布巻き:「よろこぶ」の語呂合わせ、「子生」の当て字などで縁起が良い食材です。
「広布(ひろめ)」や「夷布(えびすめ)」などの別名もあり、「広める」や「恵比寿様」を連想させます。
栗きんとん:栗は「勝ち栗」と呼ばれる縁起のよい食材です。
栗きんとんの金色がお金を連想させ、金運上昇の願いが込められています。
- 錦卵:黄身は金、白身は銀を表し、二色を錦の字を当てています。錦は金銀の糸で織ることから、財宝の意味があります。
- チョロギ:赤い色の、よく黒豆に添えてあるものです。「長老喜」などいくつか当て字があり、いずれも健康と長寿の願いが込められています。
- タコ:関東では酢ダコ、関西ではうま煮にすることが多いようです。「多幸」の字を当て、紅白の色も縁起がよいとされます。
焼き物と酢のもの:メインおかずと箸休め
メインとなる焼きものには、タイやブリ、エビなどおめでたい魚が多く使われます。
市販のおせち料理だと、ローストビーフなどお肉も入ることが多いですね。
焼き物
鯛(タイ):「めでたい」と縁起の良い魚で、お祝い事には欠かせない食材ですね。
鰤(ブリ):おせちには照り焼きで入ることが多い魚です。成長すると名前が変わる出世魚であることから、出世や成功を願う意味があります。
海老(エビ):加熱すると腰が曲がって見えるようになることから、「腰が曲がるまで長生きするように」という願いが込められています。
ハマグリやアワビなどの貝:ハマグリは貝殻がぴったり合う組み合わせが1つしかないことから、良縁を願う思いが込められています。
アワビは貝としては長寿であること、トコブシは別名の「フクダメ」から、福をためる、という意味があります。
酢の物
口の中をさっぱりさせたり、胃もたれを楽にする効果がある酢の物も、おせちには欠かせません。
紅白なます:紅白の千切り大根とにんじんが、ご祝儀袋についている「水引き」を連想させ、縁起がよいと言われています。
菊花かぶ:カブを菊の花のように切り込みを入れた菊花かぶは、不老長寿を願う意味があります。赤く染めて紅白の縁起物にすることもあります。
酢れんこん(酢蓮):穴のあいたレンコンは「見通しがよい」と言われ、未来が明るく見通せることを願う意味があります。
煮しめ:お野菜をたっぷり日持ちのする煮もので
煮しめはいろいろな野菜を煮て盛りつけますが、使われる具材にも由来があります
手綱こんにゃく:板状にスライスしたこんにゃくの中央に切り込みをいれ、ひっくり返したこんにゃくです。結び目は良縁を願う意味があり、また「手綱を締める」という言葉から、気持ちを引き締める意味もあります。
里芋:種芋から多くの子芋がつくことから、子孫繁栄や子宝を願う意味があります。丸い形は家庭円満を表しています。
くわい:栗ににた味わいのくわいは、大きくまっすぐ伸びた芽が「立身出世」を表します。
また「芽出たい(めでたい)」と語呂合わせで縁起のよい食材です。
タケノコ:まっすぐ成長し、成長スピードが速いことから「立身出世」の願いが込められています。
人参:縁起のよい赤い色が好まれます。飾り切りで梅の花の形にすると、煮しめのアクセントになりますね。
しいたけ:亀の甲羅に似せて飾り切りをして、長寿の願いを込めます。良い出汁が出るので、煮しめのおいしさの決め手にもなりますね。
お重に詰める時は5段が正式
おせち料理をお重に詰める時は、5段重ねにするのが正式です。
重箱に詰める習慣ができたのは江戸時代。正月三が日は包丁を持ったり火を使ったりすることを避けるために、濃い味付けで保存ができるようにしたともいわれています。
今でも、「詰める種類や数を奇数にする」などしきたりが残る地域もあります。
- 一の重:祝い肴
- 二の重:口取りと酢の物
- 三の重:焼き物
- 四の重:煮物
- 五の重:空にしておく 福を詰めるため、と言われている
家族が少なくなり、そんなにたくさんのおせち料理は食べられない、というご家庭が増えているため、最近は3段のお重が多くなっていますね。
- 一の重:祝い肴と口取り
- 二の重:焼き物と酢の物
- 三の重:煮物
ワンプレートでおしゃれに盛り付けたり、和食にこだわらないおせち
お重を使わずに、お皿にキレイに盛り付けておしゃれにおせち料理を楽しむご家庭も増えています。
我が家もおせち料理を食べるのは元日の朝だけなので、お正月用のお皿やトレーに、祝い肴や口取りを盛り付けて楽しんでいます。
食材も定番のもの以外にローストビーフやテリーヌなど、普段と違うちょっと良いものを和洋中問わず使うようになりました。
お正月をお祝いする特別なごちそうとして、自由におせち料理を楽しめたらいいな、と思います。
まとめ
- 数の子:子孫繁栄「卵がいっぱい」
- 黒豆:健康と長寿「マメに働けるように」
- 田作り:豊作「イワシは畑の肥料だった」
- たたきごぼう:家業繁栄「しっかり根付く」
- かまぼこ:日の出が由来
- 伊達巻:学業成就「巻物の形から」
- 昆布巻き:「よころぶ」「子生」のごろあわせ お祝い事に欠かせない食材
- 栗きんとん:金運上昇 勝負に勝つ「黄金色からイメージ」
- 錦玉子:金運上昇「卵の黄身は金、白身は銀 錦は金銀の糸で織る」
- チョロギ:健康と長寿「長老喜とも書く」
- タイ:お祝いには欠かせない「めでたい」
- ブリ:立身出世「名前が変わる出世魚」
- 海老:健康と長寿「腰が曲がるまで元気に」
- レンコン:穴が開いて見通しが良い
- くわい:立身出世
- 里芋:子孫繁栄「親芋に子芋がたくさんつくから」
- タケノコ:立身出世「まっすぐすくすく育つ」
おせち料理の定番のものについて、由来を解説しました。
おせち料理を囲む機会に、日本の伝統や文化に少し思いを寄せるのも素敵なことだと思います。
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