「紫外線を防ぐ色って、結局何色?」
結論から言うと、紫外線を最も強力にブロックするのは「黒色」です。
次いで「ダークブラウン」や「ダークグレー」、「濃い青(ネイビー)」と続きます。
しかし、「黒い服は夏は暑いんじゃないの?」という疑問も当然ありますよね。
この記事では、紫外線を防ぐ色のベスト5をランキング形式で紹介すると同時に、色の効果だけではない服の紫外線防止効果の要素について解説しています。
ぜひ最後まで読んで、あなたにぴったりの紫外線対策を見つけてください。

紫外線を防ぐ色ランキングトップ5!
全く同じ素材・織り方の布で、UVカット加工がされていない布を用意し、色だけで紫外線を防ぐ効果をランキングにすると、次の表のようになります。
濃い色ほど紫外線を吸収してくれるので、紫外線がお肌まで届かず影響が少ないんです。
反対に、薄い色、明るい色になるほど紫外線が通り抜けやすく、UVがお肌に届きやすくなります。
ランキング | 色 | 紫外線防御効果 | 補足 |
1位 | 黒・濃紺 | 最強クラス | 紫外線の90%以上を吸収。透過率は1.9%と非常に低い。 |
2位 | ダークブラウン・ダークグレー | 非常に高い | 黒に次ぐ防御力。落ち着いた色でコーディネートしやすい。 |
3位 | 濃いブルー | 高い | 濃い色味は紫外線を吸収・遮断しやすい。爽やかな印象も。 |
4位 | 中間色(グレー・カーキなど) | 平均的 | 薄いパステルカラーよりは効果的。 |
5位 | 鮮やかな原色(赤・青など) | 意外と高い | 染料の密度が高いため、高い防御力を持つとされています。 |
白やパステルカラーはどうなの?
一般的に、白やパステルカラーのような淡い色は、光を反射する一方で、紫外線は透過しやすい傾向にあります。
ただし、UVカット加工をされた「白い服」のUVカット率は非常に高いものもあり、黒い服と同じ程度の紫外線カット率があるものも!
また、布の素材や織り方、厚さでUVカット率はかなり変わるので、「白い服は日焼けする」と考えるのは早計です。
紫外線防止効果加工で淡い色でも紫外線防止効果が高くなる
蛍光増白剤で処理された白い生地は、紫外線カット率が未処理の黒い生地と同等になることがあります。
白でも一般的に「ホワイト」と表記されている肌着は、蛍光剤が使われているため遮蔽率が高く、紫外線を通しにくいのです。
これは、蛍光増白剤が紫外線を吸収して可視光に変換する特殊な性質を持っているためです。
ただし、洗濯を重ねると効果が薄れる可能性があるため注意が必要です。
紫外線対策は「色」だけでは不十分!知っておきたい3つの要素
「紫外線を防ぐ色=黒」ということが分かりましたが、色だけで安心してはいけません!
衣類の紫外線防御効果は、以下の3つの要素によっても大きく変わります。
- 素材
- 厚さ・織り方
- 加工(UPF値)
これらを総合的に考えることが、最強の紫外線対策につながります。
要素1:素材 – 化学繊維が紫外線を通しにくいって本当?
ポリエステルやナイロンなどの化学繊維は、綿や麻といった天然繊維よりも紫外線を通しにくい傾向があります。
素材 | 紫外線防御効果 | 特徴 |
ポリエステル・ナイロン | 高い | 紫外線を通しにくく、耐久性も高い。一方で、吸湿性が低いためべたつきやすい特徴も。 |
綿・麻・シルク | 低い | 肌触りが良い反面、繊維の隙間が大きく、紫外線を通しやすい。 |
実験でも、ポリエステルは綿よりも紫外線を通さないことが証明されています。
繊維素材としては芳香族ポリエステル繊維、次いで羊毛が他素材より高い遮蔽性を有している。これはポリエステルが分子内に芳香環をもっており、羊毛は分子中に芳香族系のアミノ酸を含んでいるためである。
ー引用:新潟県立大学「紫外線対策と衣服」
したがって、UVカット効果を最大限に高めたい場合は、ポリエステルやナイロンなどの化学繊維を積極的に選びましょう。
要素2:厚さ・織り方 – 重ね着が効果的な理由
生地の厚さや、織り目の密度も紫外線防御力に大きく影響します。
- 厚い生地:紫外線を通しにくい
- 織り目がしっかり詰まっている(高密度織り)生地:紫外線を通しにくい
単純に服を重ね着することでも、紫外線防御効果を高めることができます。
ただし、夏場は熱中症のリスクもあるため、涼しさを保つ工夫も重要ですね。
要素3:UPF値と特殊加工 – 色よりも重要な指標
色や素材、厚さ以上に、衣類の紫外線防御効果を判断する上で最も信頼できるのが、UPF(Ultraviolet Protection Factor)という数値です。
- UPF:衣類や布製品の紫外線防御指数
- UPF50+:最高評価で、紫外線の98%以上をカット
「UPF50+」の製品であれば、色に関わらず高い防御力が期待できます。
例えば、UPF50+の白いシャツは、UPF表示のない黒いシャツよりも高い防御力を持つ場合があるんです!
つまり、色選びよりもUPF値の高さが防御力に直結すると言えます。
また、UVカット加工には主に2つのタイプがあります。
- 練り込み型:紫外線反射素材(酸化チタンなど)を繊維に練り込んだもので、洗濯しても効果が持続しやすいのが特徴です。
- 後加工型:生地の表面に紫外線吸収剤をコーティングしたもので、洗濯や摩擦によって効果が徐々に低下することがあります。
耐久性を重視するなら、UPF値が表示された「練り込み型」の製品を選ぶのがおすすめです。
紫外線を防ぐ色の暑さ対策を両立する4つのポイント
紫外線を強力に防ぐ「黒」の服は、熱も吸収しやすいため、夏場は体感温度が上がりやすいというデメリットがあります。
しかし、以下の3つのポイントを押さえれば、快適にUV対策が可能です。
ポイント①:UVカット加工されたベタつかない素材の服を選ぶ
吸水速乾や接触冷感機能を持つポリエステルやレーヨン系の素材を選ぶと、汗をかいてもべたつかず、涼しく過ごせます。
サラサラ加工がされた生地や、肌に張り付きにくい生地の服を選びましょう。
UVカット加工がされた布地であれば、色が薄くても十分に紫外線カット効果が期待できます。
ポイント②:風が通り抜けるデザインの服を選ぶ
タイトな服は熱がこもりやすいため、風通しの良いゆったりとしたシルエットのデザインを選びましょう。
メッシュ素材もおすすめです。
ポイント③:紫外線カットアイテムを活用する
日傘や帽子、アームカバーなどを効果的に活用することで、黒い服を着なくても紫外線対策を強化できます。
洋服だけで紫外線カットをするのではなく、アイテムも使って総合力を上げよう!という作戦です。
特に日傘は、外側が白やシルバーで熱を反射し、内側が黒で地面からの照り返しを吸収する「二重張り」タイプが理想的です。
帽子も、つばが広く、メッシュ素材のものを選ぶと頭部の熱がこもりにくくなります。

ポイント④:日焼け止めを定期的に塗る
衣類から出ているお肌の部分には、必ず日焼け止めを塗りましょう。
顔だけではなく、腕や足もその日の服のデザインによって塗る必要があります。
案外忘れがちなのが、首の後ろと耳です。炎症になりやすい場所でもあるので忘れないようにしましょう。
また、朝塗った日焼け止めは一日中効果があるわけではありません。2~3時間ごとに塗りなおすのがベストです。
紫外線を防ぐ色ランキングのまとめ
紫外線をもっとも防ぐ効果が高い色は「黒」次いで「ダークグレー」などの濃い色です。
白やパステルカラーは、UVカット加工がされている布であれば、黒と同じ程度の紫外線カット効果が期待できます。
- 紫外線を最も防ぐ色: 明度の低い黒や濃紺
- 紫外線を最も防ぐ素材: ポリエステルやナイロン
- 最も信頼できる指標: UPF50+の表示がある製品
色や素材の特性を理解し、日焼け止めや日傘、帽子などのアイテムと組み合わせることで、今年の夏はもう紫外線に悩まされることはありません。
さあ、今日からあなたにぴったりの紫外線対策を始めてみませんか?
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